2024 年 45 巻 6 号 p. 295-301
エポキシ樹脂は電子・電気分野で広く使用されるが,製造に使用されるエピクロロヒドリン由来の塩素化合物が金属腐食を引き起こし,デバイスの欠陥を生じる問題がある。従来の水性洗浄や加水分解では限界があるため,著者らはアリル化とエポキシ化の2 段階工程を用いる新製法を開発し,ハロゲンフリーのエポキシ樹脂を供給することを目指している。過酸化水素を酸化剤として使用することで,環境負荷が低く高収率でエポキシ化合物を得ることができる。本稿では,著者らが開発した4 種類の高機能エポキシ樹脂(2 官能脂肪族,多官能脂肪族,2 官能芳香族,多官能芳香族)について,その工業的価値,分子設計,特徴と有用性を紹介する。これらのエポキシ樹脂は低塩素化,高純度で,特に電子材用途において優れた性能を発揮する。酸化法により新たな機能性エポキシ樹脂の開発と,今後の高性能化材料の提供が期待される。