2024 年 45 巻 6 号 p. 302-310
近年の5G 化,beyond5G 化,さらには急速なA.I. の普及に伴い電子機器で取扱う情報量が急激に増加している。そのため半導体チップから発生する熱量も急激に増加しており,その熱量を逃がすための高放熱樹脂材料の開発が今まで以上に望まれている。一方,高速伝送のためにパッケージ材料や基板の低誘電化も望まれており,しかも両者は同時に解決しなければならない課題であることが多い。メソゲン骨格を持つ重合性の液晶化合物は,古くから高熱伝導樹脂用の材料として研究されており,上手く分子デザインができれば,これらの課題を同時に解決できる可能性がある。本報では,工業化を目指した高放熱重合性液晶化合物の開発と,その低誘電化のためにおこなっている試みについて紹介する。