ネットワークポリマー論文集
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総合論文
結晶性を有するエポキシ樹脂硬化物の構造と物性
梶 正史
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2026 年 47 巻 2 号 p. 96-105

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抄録

4,4’-ジグリシジルオキシジフェニルエーテルを4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテルと反応させることにより結晶性の硬化物が得られることを見出した。結晶性硬化物は,Tg よりも高い温度に位置するTm に対応して優れた耐熱性を有するとともに,結晶化による分子鎖のパッキング性向上により,低熱膨張性,低吸湿性および高熱伝導性等において優れた特性を示した。次に,硬化剤として4,4’-ジヒドロキシビフェニルを用いた結果,Tmは59.8 ℃向上して245.6 ℃となった。また,4,4’-ジグリシジルオキシベンゾフェノンからも結晶性の硬化物が得られ,Tm は230.9 ℃に向上した。さらに,耐熱性向上のために架橋構造の導入を狙いとして,硬化剤として4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(DDS)の適用を検討した。硬化剤中の50 wt% をDDS とした結果,得られた結晶性硬化物のTg は51.3 ℃向上し169.0 ℃となった。また,結晶性硬化物を成形材料として評価した結果,アルミナを94 wt% 充填した硬化物の熱伝導率は6.9 W/m・K であり,汎用のビスフェノールF 型エポキシ樹脂からの硬化物に対して約2 倍の値となった。

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