ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
報文
ビスフェノールA骨格を有するエポキシ樹脂硬化物の 新規酸分解法に関する研究
高野 剛志一二三 遼祐冨田 育義
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 47 巻 3 号 p. 146-154

詳細
抄録

エポキシ樹脂硬化物は優れた耐熱性や機械的特性を有し,電子材料や接着剤はじめ,様々な分野に用いられているが,架橋構造を有するためリサイクルが困難である。本研究では,熱硬化性樹脂のケミカルリサイクルに資する手法への展開を目指し,酸によるエポキシ樹脂硬化物の分解挙動を検討した。その結果,例えばビスフェノールA 骨格を有するエポキシ樹脂硬化物をトリフルオロメタンスルホン酸(5 当量)存在下,ジクロロメタン中,室温で1 日間反応させると,ジクロロメタンに不溶であったエポキシ樹脂硬化物が徐々に消失し,可溶性の生成物が得られた。グリシジルフェニルエーテルとアニリンとの反応により得られる低分子モデル化合物(N,N-ビス(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)アニリン)を用い,同条件下における反応挙動を検討した結果,C-N結合やC-O 結合の切断は進行しなかったことから,エポキシ樹脂硬化物の本分解反応はビスフェノールA骨格中のイソプロピリデン基と芳香環との結合が選択的に切断されていることが示唆された。

著者関連情報
© 合成樹脂工業協会
前の記事
feedback
Top