2026 年 47 巻 3 号 p. 137-145
環境負荷低減が期待されるバイオマス原料を絶縁材料に適用すべく,脂肪族構造からなるバイオマスエポキシ樹脂に,ビフェニル基を有する芳香族アミンを異なる当量比で配合し,その架橋構造が機械特性に与える影響を評価した。3 点曲げ試験にて測定した曲げ強度は,硬化剤を化学当量の2 倍配合した系で最大の198 MPa を示し,当量配合系の約1.3 倍であった。同配合系では貯蔵弾性率が高温まで保持され,高温域における曲げ強度も当量配合系を上回った。また,ガラス転移温度は192 ℃であり,当量配合系と比較して約80 ℃高い値を示した。本系の偏光観察では,数百μm の配向ドメインが複数観察された。このドメインは平板状のビフェニル基の配向によるものと推察される。配合割合の最適化により,架橋に加えてビフェニル基の密な配向が形成され,高温まで分子運動が抑制されることで,機械特性が向上したと考えられる。