ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
総説
ポリロタキサンを用いたエポキシ樹脂ビトリマーの高機能化
安藤 翔太
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2026 年 47 巻 5 号 p. 284-291

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抄録

ビトリマーは,動的共有結合交換反応により自己修復性,再加工性,形状記憶性,ケミカルリサイクル性などの優れた資源循環特性を有する一方で,十分な強靭性を実現することが課題であった。本研究では,環状分子のスライド運動を特徴とするトポロジカル超分子化合物,ポリロタキサン(PR)をビトリマーネットワーク内に均一分散させることで,ヤング率を維持したまま破断伸度を最大5.3 倍,破壊エネルギーを約3 倍向上させることに成功した。さらに,PR の導入により結合交換反応が促進され,自己修復速度は10 倍以上,ケミカルリサイクル速度は10 倍以上向上した。また,複雑な形状記憶・再記憶機能や高い溶接性を示すことに加え,従来のビトリマーでは見られなかった海洋生分解性も発現した。これらの結果は,PR がビトリマーの強靭性と資源循環性を高次元で両立させる革新的な改質剤であることを示しており,構造材料,接着材料,複合材料など幅広い分野への応用が期待される。

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