ネットワークポリマー
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総説
高熱伝導複合材料
三村 研史
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2014 年 35 巻 2 号 p. 76-83

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抄録
パワーモジュール製品においては,高性能化,コンパクト化が進展し,それに用いられている絶縁シートなどの絶縁材料には高放熱化が求められている。本稿では,熱硬化性樹脂をベースにした高放熱有機/ 無機フィラー複合材料についての研究内容を紹介する。エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に熱伝導性を付与するために窒化ホウ素(BN)などの高熱伝導性フィラーとの複合化が用いられている。しかし,りん片形状のBN 粒子を高充填してもBN 粒子の面方向への配向が進むだけで厚み方向の熱伝導率は10 W/(m・K)と大きな向上は得られない。 そこでりん片状のBN 粒子を凝集させたBN 凝集体を配合してBN 粒子の配向を制御すると低充填量で厚み方向の熱伝導率が16 W/(m・K)と大きく向上することができる。さらに充填量を増加すると熱伝導率は18 W/(m・ K)とセラミックス材料並みの高い熱伝導率を実現できることを確認した。有機成分であるエポキシ樹脂の高熱伝導化技術も進み,今後はより高熱伝導を有する有機/ 無機フィラー複合材料の開発が期待される。
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© 2014 合成樹脂工業協会
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