2017 年 38 巻 4 号 p. 192-198
エポキシ樹脂は高接着性,高電気絶縁性,高耐熱性,低体積収縮率,耐水性,耐溶剤性等の特徴を有し,産業界でも接着剤,塗料,プリント配線基板や半導体封止材といった電子材料等のさまざまな分野で活用されている樹脂の一つである。近年,先端材料分野ではこれまでのエポキシ樹脂にあった性能だけでは達成できない程の高機能を求められることが増えてきている。たとえば高輝度LED 分野では,これまで以上の耐熱性,高透明性,耐候性等の各種特性とハンドリング性,加工性等を高いレベルで両立させる必要があり,新しいエポキシ材料の開発が期待されていた。本稿では,まず従来までのエポキシ樹脂の特徴と問題点について説明を行い,その課題を可決するために新規に開発されたイソシアヌル酸型エポキシ材料の開発指針と物性について報告する。