熱硬化性樹脂
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N″-シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応 (III) 酸性条件下での二核体縮合物とその生成経路
柴 隆一高橋 みゆき戎野 棟一滝本 道明
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1989 年 10 巻 3 号 p. 141-149

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抄録
N″-シアノグアニジン (CG) とホルムアルデヒドとの酸性条件下での反応では, ヒドロキシメチル化, メチレン化, 高分子化反応が起こり樹脂状生成物が得られる。これら樹脂状生成物は有用で凝集剤として市販されている。しかし, 酸性条件下ではシアノ基の水和によってCGがジアミノメチレンウレア (DU) へ変換するため反応が複雑になることもあって, これまでメチレン結合を有する二核体縮合物や生成経路に関する報告はほとんどなかった。二核体縮合物の構造と生成経路を明らかにするために, ホルムアルデヒドとCGとの仕込みモル比を1/2として, 種々の条件下で反応を行った場合に得られる二核体縮合物やDUとホルムアルデヒドとの反応で得られる生成物を高速液体クロマトグラフ法, 1H NMRやFD-MSを用いて分析した。
シアノ基が水和する以前に, ホルムアルデヒドがCGのアミノ基に付加するとビス (N″-シアノグアニジノ) メタンが生成する。しかし, その収率は最適合成条件下でも約20%と低かった。一方, 水和反応が付加反応に先行する場合には, ホルムアルデヒドはDUのカルバモイル基側のアミノ基に付加し, 約90%の収率でN, N′-メチレンビス [N′- (ジアミノメチレン) ウレア] が生成する。他の4つの二核体縮合物もその生成量は微少か痕跡量であるとしても生成するものと考えられる。二核体縮合物の組成は反応条件, とりわけ酸の濃度によって影響を受ける。
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