熱硬化性樹脂
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ポリ-パラ-ビニルフェノール系成形材料の研究 (第2報)
成形材料化および成形性と成形品の性質
藤原 寛高橋 晨生藤井 勤也中村 孝一鈴木 健山田 隆男堀内 光殿谷 三郎
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1981 年 2 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
ポリ-パラ-ビニルフェノール (PHP) ・エピビス型エポキシ樹脂 (液状) ・シリカ粉系成形材料の製造を試み, その成形性と, 硬化物の性質を測定した。この系では, 充填材を文献に見られる例より多量に配合することができる。そのため, 原料のプリミキシングでPHPとシリカ粉を混合し, ついで液状エポキシ樹脂を加えることにより, 液状エポキシ樹脂の持つ粘着性が消え, 粉塵の飛散しにくいなど取扱い易い混合物をつくることができる。この混合物を2本ロールを用いた乾式混合法により成形用粉末材料とした。ディスクキュアー法で測定したところ, 流動性は良好で, 硬化時間は, 170℃のとき, 厚さ1mm当り, 1分以内でよい。成形品は, 熱膨張係数が小さく200℃以上で見かけの熱たわみ量が減少するなど特徴のある熱間挙動を示した。また, 室温での機械特性・電気特性は, エポキシ樹脂成形品本来の特性を維持しており, 高温域での曲げ強さの低下が小さい。
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