抄録
フタル酸およびテレフタル酸をグリシジル化した2種のエポキシ樹脂と, ビスフェノール型エポキシ樹脂が, サリチル酸存在下にメチレン鎖数の異なる4種の脂肪族ジアミンによって硬化された。
これら2種のエステル型樹脂は, 共にエステル結合とアミン結合からなる網目鎖を形成する。これに対してビスフェノール型樹脂は, 約5%のエーテル結合を持つアミン網目を形成した。
これらの硬化系では, 硬化剤のメチレン鎖数の増加にともなって網目鎖濃度, ガラス転移温度, 引張強さ, 引張せん断強さが低下し, 接着疲労, 引張衝撃, 破壊伸びおよび減衰が上昇した。これら挙動の変化が, 系のエネルギー散逸能力に関連して説明された。
フタル酸型樹脂とビスフェノール型樹脂硬化物は同程度の接着疲労強度を示した。これに対してテレフタル酸型樹脂は約2倍の接着疲労強度を示した。これらの機構が網目鎖の運動性とそのエネルギー散逸能力の面から説明された。