熱硬化性樹脂
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N, N′-ビス (3,5-ジアミノ-トリアジニル) ジアミノメタンの立体構造と紫外吸収スペクトルに関する分子軌道法による考察
メチロールメラミンの電子的性質に関する分子軌道法による研究(第7報)
犬塚 功三
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1984 年 5 巻 2 号 p. 77-82

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抄録
N, N′-Bis (3, 5-diamino-triazinyl) diaminomethaneは最も簡単なメラミン2核体と考えられる。ここではこのモデルの立体構造を分子軌道法の一種であるCNDO/2法, EHMO法を用いて調べた。さらに得られた安定な2核体モデルに対しCNDO/CI法を用いてUVスペクトルを計算した。これよりつぎのような結果を得た。
(1) メラミン2核体ではC2vの対称性を有する構造が最も安定である。この構造では2つのメラミン環は同一平面上に存在する。さらに, この構造から約1.4kcal/molエネルギー的に高い状態に第2の安定構造が存在している。この構造はCH2基と結合したNH2基を結ぶC-N結合の回りにメラミン環が回転した構造で立体構造に相当する。2, 3核体では平面構造をとると考えられるが, メチレン化反応が進むにつれて分子鎖中にこのような立体的な構造が含まれることが考えられる。
(2) 2核体モデルのUVスペクトルの理論曲線とメラミン, モノメチロールメラミンの理論曲線を比較すると, 吸収帯のλmaxとその形状は類似している。このことはCH2基を介して結合したメラミン環の電子的相互作用は小さいことを示している。換言すれば, 核体中のメラミン環はメチレン化によって相互に電子的影響を余り受けないものと考えることができる。
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