熱硬化性樹脂
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5 巻, 2 号
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  • エポキシ樹脂の物性とその硬化機構に関する研究第53報
    新保 正樹, 越智 光一, 今井 道雄
    1984 年5 巻2 号 p. 69-76
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    フタル酸およびテレフタル酸をグリシジル化した2種のエポキシ樹脂と, ビスフェノール型エポキシ樹脂が, サリチル酸存在下にメチレン鎖数の異なる4種の脂肪族ジアミンによって硬化された。
    これら2種のエステル型樹脂は, 共にエステル結合とアミン結合からなる網目鎖を形成する。これに対してビスフェノール型樹脂は, 約5%のエーテル結合を持つアミン網目を形成した。
    これらの硬化系では, 硬化剤のメチレン鎖数の増加にともなって網目鎖濃度, ガラス転移温度, 引張強さ, 引張せん断強さが低下し, 接着疲労, 引張衝撃, 破壊伸びおよび減衰が上昇した。これら挙動の変化が, 系のエネルギー散逸能力に関連して説明された。
    フタル酸型樹脂とビスフェノール型樹脂硬化物は同程度の接着疲労強度を示した。これに対してテレフタル酸型樹脂は約2倍の接着疲労強度を示した。これらの機構が網目鎖の運動性とそのエネルギー散逸能力の面から説明された。
  • メチロールメラミンの電子的性質に関する分子軌道法による研究(第7報)
    犬塚 功三
    1984 年5 巻2 号 p. 77-82
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    N, N′-Bis (3, 5-diamino-triazinyl) diaminomethaneは最も簡単なメラミン2核体と考えられる。ここではこのモデルの立体構造を分子軌道法の一種であるCNDO/2法, EHMO法を用いて調べた。さらに得られた安定な2核体モデルに対しCNDO/CI法を用いてUVスペクトルを計算した。これよりつぎのような結果を得た。
    (1) メラミン2核体ではC2vの対称性を有する構造が最も安定である。この構造では2つのメラミン環は同一平面上に存在する。さらに, この構造から約1.4kcal/molエネルギー的に高い状態に第2の安定構造が存在している。この構造はCH2基と結合したNH2基を結ぶC-N結合の回りにメラミン環が回転した構造で立体構造に相当する。2, 3核体では平面構造をとると考えられるが, メチレン化反応が進むにつれて分子鎖中にこのような立体的な構造が含まれることが考えられる。
    (2) 2核体モデルのUVスペクトルの理論曲線とメラミン, モノメチロールメラミンの理論曲線を比較すると, 吸収帯のλmaxとその形状は類似している。このことはCH2基を介して結合したメラミン環の電子的相互作用は小さいことを示している。換言すれば, 核体中のメラミン環はメチレン化によって相互に電子的影響を余り受けないものと考えることができる。
  • 堀内 光, 福田 明徳, 長谷川 喜一
    1984 年5 巻2 号 p. 83-90
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    高反応性のフェノール類とヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミンと略記)の付加化合物をノボラックに配合すると,ヘキサミンのみの場合に比べてその硬化時間が短縮されることを見出した。その作用効果を詳しく検討するため,まず12種のフェノール類について高収量で付加物の得られる合成条件を確立した。
    ついで,一般用ノボラック(GPNと略記)に各種フェノールの付加物を配合した時の硬化挙動を,ストロークキュア法,ディスクキュア法,キュラストメータ法などによって検討し,レゾルシノールその他の高反応性フェノールとの付加物はいずれも硬化時間を大幅に短縮することを知り,その作用機構についても考察を試みた。
    さらにこれら各種付加物をGPNに配合した成形材料から,圧縮成形によって得た試験片を用いて硬化樹脂の諸特性を比較したが,多くの試料は通常のGPN-ヘキサミン系の試料とほぼ同等の性能を示した。
    また数種の付加物について,付加物の組成に相当する量のヘキサミンとフェノール類とを別々に配合した試料とその特性を比較したが,後者の混合物を配合した系は付加物を配合した系よりも硬化速度や硬化樹脂の性能の劣ることが確認された。
  • エポキシ樹脂の硬化に関する研究(第14報)
    加門 隆, 斎藤 勝義
    1984 年5 巻2 号 p. 91-97
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    種々の構造および官能基数の異なるエポキシ樹脂のポリメルカプタン硬化剤による硬化の相対的な硬化速度およびこれらの硬化物の物性を検討した。
    相対的硬化速度は次のようにエポキシ樹脂原料の塩基性が増す (即ちpkaが高い) ほど小さくなった。脂肪族アミン≪芳香族アミン<フェノール<カルボン酸。メルカプタンは弱酸にもかかわらず, この速度の順序は芳香族アミンによる硬化速度の順序と一致した。
    これらの樹脂系の硬化物の動的粘弾性の検討から, 4官能性樹脂 (TGMXDAとTGDDM) は2官能性樹脂 (DGEPAとDGEBA) より橋架け密度 (ρ (E′)) もガラス転移温度 (Tg) も高かった。又, 剛直な芳香環を2個持つ樹脂 (DGEBAとTGDDM) は1個の樹脂 (DGEPAとTGMXDA) とρ (E′) は同じ程度にもかかわらずTgが高くなった。そして, いづれの硬化物も樹脂/硬化剤の配合比が1/1より1/0.6の硬化物の方がρ (E′) は小さくなるがTgは高くなった。
    硬化物の室温での曲げ強さおよび引張りせん断接着力は, ほぼ一般的なエポキシ樹脂硬化物と同じであった。
  • 遠藤 剛, 小笠原 誉久
    1984 年5 巻2 号 p. 98-110
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    スチレンやメチルメタクリレートなどの一般のビニルモノマー, エポキシ樹脂, 熱硬化性樹脂等が重合する際, 容積の収縮を伴なうことはよく知られている。この現象は材料の開発や高分子化学の観点から大きい問題になっているのが現状である。ここでは, 非収縮性モノマーの合成と材料化に関する最近の進歩についてまとめた。
    まづ, 一般のビニルモノマーの重合時における収縮率とモノマーの分子量の逆数がよい直線関係を示し, この関係が新しい機能性モノマーの設計に重要なヒントを与えることを示唆した。次に非収縮性モノマーの合成についての最近の研究について述べ, 材料化の考え方を示した。ついで東亜合成化学で開発された「EXP-シリーズ」の種類と特性についてまとめた。EXP-レジンは硬化時の体積変化がない点に最大の特徴をもつ新規熱硬化性樹脂で, 従来のエポキシ樹脂などでは収縮に基づく技術的解決が不可能な分野, 例えば接着剤, 注型材, 封止材, 精密成型材料などで種々の応用が期待できる。
  • 合成樹脂化学史ノート(第18報)
    鶴田 四郎
    1984 年5 巻2 号 p. 111-123
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    レゾールに酸を加え常温で硬化させる反応は古くから知られているが, 工業的価値が少いため熱硬化反応ほどには研究されていない。本報では, まずE.Ziegler, G.Zigeuner (1947, 1948), K.Hultzsch (1947, 1950), G.E.Little (1962) らの論文を紹介するが, 酸硬化樹脂の主結合はメチレン (-CH2-) であるということは決定的であるが, ジメチレンエーテル (-CH2OCH2-) 結合の存否で意見が分かれている。
    次にLittle, K.W.Pepper (1947) の提案した “barrier pH”, レゾルシンとホルムアルデヒドの2段階反応について述べる。多価フェノールの化学に関し2, 3の考察を行ったがそれにはH.v.Eulerら (1940), R.A.V.Raff, B.H.Silverman (1951), 山田富貴子 (1953) らの論文を参考にした。
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