熱硬化性樹脂
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光硬化による脂環式エポキシ/アクリルIPNsの合成と物性
垣内 弘飯島 孝雄井上 弘一
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1988 年 9 巻 2 号 p. 91-100

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抄録
光硬化により脂環式エポキシ/アクリルIPNsを合成した。脂環式エポキシ樹脂として3, 4エポキシシクロヘキシルメチル3, 4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート (セロキサイド2021), アクリレートとして2-エチルヘキシルアクリレート (2EHA) を用いた。光開始剤としてビス [4- (ジフェニルスルホニオ) フェニル] スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモナートを用いた。アクリレートの架橋剤としてのセロキサイド2021ジメタクリレート, グラフト化剤としてのセロキサイド2021モノメタクリレートは, セロキサイド2021, メタクリル酸, メタクリル酸カリウムから相間移動条件下で合成した。
脂環式エポキシ/アクリル系同時IPNsは白〓し, 相分離した。グラフトIPNsでは相溶性が向上した。このことは, 走査型電子顕微鏡写真による硬化物のモルホロジーの観察結果からも示された。各種組成のIPNsの機械的性質は引張試験により測定し, エポキシ/2EHAの重量比80/20, グラフト化剤量20mol%, 架橋剤量1~4mol%の樹脂組成のグラフトIPNsで最適の結果を得, エポキシ樹脂に可とう性を付与することができた。
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