熱硬化性樹脂
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9 巻, 2 号
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  • 石井 敬一郎, 榎 尚史, 柴原 澄夫
    1988 年9 巻2 号 p. 67-73
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    モデル物質を用いて, マレイミド樹脂の硬化反応に及ぼす触媒の影響を検討した。モデル物質として, N-フェニルマレイミド (PMI) とN, N′-ジフェニルアスパルトイミド (API) を選んだ。
    無触媒系では, PMIの重合速度が遅いため, 200℃以上の高温を要し, PMIでは, ポリマーが生成した。APIが共存すると, PMIの重合反応は多少促進されるが, 生成物は比較的低分子量のオリゴマーであった。
    イミダゾール (2E4MZ) 触媒は, 170℃で, PMIの重合反応を促進するが, APIの有無にかかわらず, 生成物は比較的低分子量のオリゴマーであった。
    ジクミルパーオキシド (DCP) 触媒は, APIによって, その触媒作用が阻害される。APIの量が増すと, PMIの重合速度と生成するポリマーの分子量が低下することがわかった。
    モデル反応で得られた知見は, N, N′-4, 4′-ジフェニルメタン-ビスマレイミド (BMI), アミン変性マレイミド樹脂の硬化挙動とよく対応している。
  • 戎野 棟一, 滝本 道明, 柴 隆一
    1988 年9 巻2 号 p. 74-84
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    シアノグアニジン, 尿素, メラミンとこれらのヒドロキシメチルおよびアルコキシメチル誘導体の質量スペクトルをインビーム法を用いて測定し, その特徴を明らかにした。
    シアノグアニジンなどのヒドロキシメチル誘導体の質量スペクトルにおいては, 分子イオンはほとんど検出されず, 脱水イオンの弱いピークが一般に観測された。これらの質量スペクトルにおけるベースピークは, シアノグアニジン, 尿素およびメラミンの母核に由来するものである。
    他方, シアノグアニジンなどのアルコキシメチル誘導体の質量スペクトルにおいては, 分子イオンやプロトン化分子イオンが検出される。また, ベースピークは, ヒドロキシメチル誘導体の質量スペクトルとは異なり, 母核に由来しない。
    モノメトキシメチル-およびモノエトキシメチル-シアノグアニジンと大過剰のホルムアルデヒドとの反応生成物を, 質量分析法および1H-および13C-NMR法を用いて, 4-シアノイミノ-3-メトキシメチル-1, 3, 5-オキサジアジンおよび4-シアノイミノ-3-エトキシメチル-1, 3, 5-オキサジアジンと同定した。
  • 松本 昭, 黒川 正也, 大岩 正芳
    1988 年9 巻2 号 p. 85-90
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    フタル酸ジアリル (DAP) とメタクリル酸ラウリル (LMA) の塊状共重合を行い, 共重合速度, 共重合性, ゲル化点, ゲル分率, プレコポリマーおよびゾルの組成, ゲルの膨潤性等を検討した。その結果, DAPとLMAの共重合性の悪さ, さらには両者の極性の違いを反映して, 共硬化過程における微視的不均一性が観察された。このような不均一性はメタクリル酸ステアリルとの共重合では増大したのに対し, メタクリル酸ブチルやメチルでは減少した。さらに, DAPとアクリル酸ラウリル (LA) やラウリル酸ビニル (VL) との共重合についても検討したところ, LMA, LA, VLとDAPとの共重合性が増すにつれ, 微視的不均一性の度合は減少した。
  • 垣内 弘, 飯島 孝雄, 井上 弘一
    1988 年9 巻2 号 p. 91-100
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    光硬化により脂環式エポキシ/アクリルIPNsを合成した。脂環式エポキシ樹脂として3, 4エポキシシクロヘキシルメチル3, 4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート (セロキサイド2021), アクリレートとして2-エチルヘキシルアクリレート (2EHA) を用いた。光開始剤としてビス [4- (ジフェニルスルホニオ) フェニル] スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモナートを用いた。アクリレートの架橋剤としてのセロキサイド2021ジメタクリレート, グラフト化剤としてのセロキサイド2021モノメタクリレートは, セロキサイド2021, メタクリル酸, メタクリル酸カリウムから相間移動条件下で合成した。
    脂環式エポキシ/アクリル系同時IPNsは白〓し, 相分離した。グラフトIPNsでは相溶性が向上した。このことは, 走査型電子顕微鏡写真による硬化物のモルホロジーの観察結果からも示された。各種組成のIPNsの機械的性質は引張試験により測定し, エポキシ/2EHAの重量比80/20, グラフト化剤量20mol%, 架橋剤量1~4mol%の樹脂組成のグラフトIPNsで最適の結果を得, エポキシ樹脂に可とう性を付与することができた。
  • 内野 哲也, 小島 弦
    1988 年9 巻2 号 p. 101-113
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ふっ素系高分子材料は, 炭化水素系高分子材料に見られない優れた耐熱性, 耐薬品性, 耐油性, 機水撥油性, 潤滑性, 非粘着性等を示し, 高性能・高機能材料として, 化学・機械・電気・電子・情報・運輸・エネルギー等諸産業分野に於てその特性を高く評価されており, また我々の衣食住生活全般に亘っても用途が展開されている。
    本稿では, 樹脂, ゴム, 塗料, 機能膜, 棲水擾油剤等のふっ素系高分子材料の特徴を物性, 構造, 合成の諸側面に亘って炭化水素系高分子材料と比較しながら概説する。また, 食塩電解用イオン交換膜と塗料用樹脂を例にとって, 特性発現のための分子設計の考え方などを紹介する。
  • 鶴田 四郎
    1988 年9 巻2 号 p. 114-123
    発行日: 1988/06/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    H. Staudinger, K, Wagnerの “尿素またはチオ尿素とホルムアルデヒド縮合物の構造 (1954)” の研究に入る。まずこの大論文の “総括” と “序論” からその高分子化学的性格を述べ (第1章), 次でカプロラクタムの融点降下による分子量, メトキシルおよびクロラール末端基法による分子量, 完全な元素分析値といったStaudinger学派独特の研究方法を紹介する (第3章) 。その間, 関係ある事項としてF.Pollakの “メチロール・チオ尿素 (1939)” の紹介, H. Fahrenhorst論文 (1955) の補足, 前報 “アンモニアレゾールへの道” の追記等を記し (第2章), 最後にこの論文に出て来る融点につき考察した (第4章) 。
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