ネットワークポリマー
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熱硬化性樹脂の高性能化
エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアナート樹脂を中心として
飯島 孝雄
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2002 年 23 巻 2 号 p. 101-112

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抄録
エポキシ樹脂, ビスマレイミド樹脂, シアナート樹脂の強靱化に関する当研究室の成果を紹介した。強靱化に用いた改質剤は, ポリエチレンフタレート (PEP) などの各種芳香族ポリエステル, N-フェニルマレイミドースチレンコポリマー (PMS), ポリエーテルケトン, ポリ (エステルイミド) などである。芳香族ポリエステルによる改質では, 樹脂構造に依存せず, すべて改質剤粒子が分散した海島構造で強靱化が達成された。例えば, PEPによる芳香族ジアミン硬化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の改質では靭性の目安である破壊靭性値KICが120%, ビスマレイミド樹脂系で80%, シアナート樹脂系で120%増加した。PMS改質系では, 共連続相構造により靭性が向上した。芳香族ジアミン硬化エポキシ樹脂系でKICが130%, ビスマレイミド樹脂系で50%, シアナート樹脂系で160%増加した。さらに, ポリエーテルケトンやポリエステルイミドによる改質結果も簡単に紹介した。
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