ネットワークポリマー
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硝酸を用いたエポキシ樹脂リサイクル材の特性に及ぼす分解生成物分子量の影響
久保内 昌敏仙北谷 英貴八牧 孝介津田 健
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2004 年 25 巻 3 号 p. 147-153

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抄録
著者らはこれまで, 硝酸水溶液を用いてアミン硬化エポキシ樹脂硬化物を分解し, 酢酸エチルで抽出した化合物を未使用エポキシ樹脂に加え, これを酸無水物で硬化させることにより優れた力学的特性を有するエポキシ樹脂硬化物が得られることを明らかにした。本研究では, 抽出物の分子量分布に4つのピークが現れることに着目し, これらの分取クロマトグラフィを行い, 特定の分子量範囲の抽出物を得て, これを用いて同様のリサイクルを行った。その結果, 比較的高分子量範囲の抽出物を用いた方が力学的特性・熱的安定性の優れたリサイクル材が得られることがわかった。さらに, 高分子量の抽出物をより効率的に得るための分解条件について, 硝酸水溶液の濃度や分解時間の点から検討を行った。その結果, 比較的高濃度の硝酸水溶液で短時間分解する条件の抽出物に, 高分子量の成分が多く含まれることが明らかになった。また, 高分子量成分の含有率とリサイクル材の強度との相関が見出された。
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© 合成樹脂工業協会
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