抄録
種々のスルフィド誘導体存在下, ヒドロシリル化反応における白金触媒の活性制御を検討した。まず始めに低分子モデル反応を用いて種々のスルフィド類の触媒活性の制御能を評価した結果, いずれの場合にも反応の開始温度が高温側へとシフトする傾向が見られ, さらにその制御能は添加したスルフィド類の立体的および電子的な要因に大きく影響されることが分かった。また, 同様の傾向はシリコーン樹脂の硬化反応系においても観察され, スルフィド類を添加した白金触媒系によるシリコーン樹脂の硬化反応に熱潜在化の可能性が示された。