2008 年 29 巻 2 号 p. 64-72
ジエン系ゴムはポリマー鎖内にアリル基 (-CH=CR-CH2- : R-HorCH3) をメチレン基 (-CH2-) で連結した内部オレフィン型多官能アリルモノマーとみなし得るものであり, 非共役ポリエンオリゴマーである液状ポリブタジエンゴム (LBR) および液状ポリイソプレンゴム (LIR) は “内部オレフィン型多官能ビニル架橋剤” といえる。本研究では内部オレフィン型多官能ビニル架橋剤であるLBRやLIRと (メタ) アクリルモノマーのラジカル架橋共重合を, 著者らが長年にわたって取り組んできた多官能ビニルモノマーの架橋重合に関する一連の基礎的研究の一環として検討した。すなわち, LBRやLIR中の内部オレフィン型二重結合への付加反応とアリルモノマーに特有のアリル水素引き抜き反応が架橋共重合反応挙動においてどのような役割を演じているかについて考察した。