抄録
メソゲン骨格を主鎖中に有するエポキシ樹脂は, メソゲンの自己配列による秩序構造のため, 汎用のエポキシ樹脂に比べて等方的に高熱伝導となる。しかし, 樹脂単独での熱伝導率は高々1W/mK未満と低く, セラミックフィラーとのコンポジット化が高放熱を要求される電子機器部材に適用するためには実用上必須である。そこで, 高熱伝導コンポジットの作製を目的に, 高次構造制御エポキシ樹脂のコンポジット化を検討した。メソゲン骨格を有する高次構造制御エポキシ樹脂は結晶性であり, 溶剤溶解性も低いため, 成形加工上の扱いが難しいが, 硬化剤, 溶剤等を最適化することで, ワニス塗工, トランスファー成形等の, 熱硬化性エポキシ樹脂に要求される代表的な成形手法を適用可能であることを確認した。また, 長期熱劣化後も高次構造がくずれる事は無く, 熱伝導率の大きな低下は起こらないことがわかった。さらに, 多環メソゲン骨格を有するエポキシモノマーを用いたものでは, 最大で10W/mKという熱伝導率を有するコンポジットを得ることが出来た。