神経心理学
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シンポジウムI 流暢性の失語症学
前方病巣による非流暢性失語
松田 実
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2018 年 34 巻 1 号 p. 29-37

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抄録

非流暢性発話の本質を探るため,前頭葉障害による超皮質性失語の自験例22例について病巣と言語症状を検討した.前頭葉内側面を主病巣とする群では発話衝動の低下を主症状とする超皮質性運動失語を呈した.前頭葉外側面の病巣が前方に進展し眼窩部や前頭極の近傍にまで及んでいる群は,注意障害や病識低下や多幸などを背景に,多弁で時にジャルゴンを呈する典型的な超皮質性感覚失語であった.前頭葉外側面に病巣が限局した群の中の一部の症例では中断と戸惑いの多い著明な非流暢性発話を呈した.その病態機序として後方領域で適切に想起された複数の概念や語彙から一つを選択する能力の低下や,複数の概念や語彙を系列化する機能の障害が示唆された.

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© 2018 日本神経心理学会
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