神経心理学
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麻痺肢接触時の能動性がしびれ感の軽減に影響した中心前後回・島皮質・前頭頭頂弁蓋部損傷の1例
中薗 良太水田 秀子近藤 正樹
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論文ID: 17076

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抄録

右上下肢に強いしびれ感が出現した心原性脳塞栓症例を報告した.頭部MRIでは左中心前回・中心後回・前頭弁蓋部後部・頭頂葉弁蓋部・島皮質後部に病変を認めた.右上下肢には重度の運動麻痺と軽度の感覚障害(表在覚,深部覚低下,複合感覚障害,しびれ感)を認め,しびれ感は偽性視床痛に関連したアロディニアと考えられた.患者自身が非麻痺肢で麻痺肢に触れた場合はしびれ感が出現せず,検者が患者の麻痺肢に触れたり,布団や机が触れた場合にしびれ感を認めた.しびれ感の機序として,自ら自己に触れる際は,能動的接触における感覚予測により感覚の消去が起こるが,他者からの接触時は感覚予測が困難なため,しびれ感が誘発されたと考えた.

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© 2019 日本神経心理学会
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