2-プロパノール水溶液のプール沸騰における限界熱流束は水に比べて大幅に促進される.この要因は,伝熱面近傍の気液構造が水の沸騰とは大きく異なることによる,この違いをもたらす要因を検討するため,直径12mmの上向き伝熱面近傍の温度場を微細熱電対を用いて測定した.その結果,2-プロパノール水溶液の沸騰では,液の飽和温度が空間的に大きな不均一を持つことが判明した.得られた飽和温度の分布から濃度分布を算出した結果,2-プロパノールの濃度は径方向で大きく異なり,伝熱面中央部で大幅に低下していることが判明した.