抄録
皮膚の凍結手術は現在広く用いられているが、過剰な凍結による手術痕の残留が問題となっている。そのため、安全な凍結手術を実現するためには皮膚内部の致死温度を明らかにすることが重要となる。本研究では、これまでに開発されたペルチェクライオプローブによるモルモットの皮膚冷却実験と、数値計算を行うことによって皮膚の各層における冷却条件と細胞の損傷との関係の定量的評価を行った。皮下組織は上部の層よりも損傷を受けやすく、深部に損傷を与えずに治療を行うためには高精度な冷却条件の制御が必要となることを明らかにした。