抄録
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のすぐれた特性の一つとして高い熱伝導率があるが単一のものに対してさえ研究者の間では値に大きな隔たりがある。SWCNTを基板上に高密度で合成すると垂直に配向することが知られているがこの薄膜は厚み方向に高い熱伝導率を持つことが期待できる。これまで3ω法やレーザーによる測定により薄膜そのものの熱伝導率は測定されており、著者らの一部により薄膜を熱伝導シートとしシステムの熱抵抗を測定した例はある。しかしこの場合も値に大きな隔たりがあった。我々は薄膜の厚みと測定時の押し付け圧力を変化させることで測定を行いこれらの問題を明らかにすることを主眼とした研究を行った。