日本橋学館大学紀要
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日本橋学館大学留学生対象初年次科目におけるノートテイキングの指導-ノートテイキングの習慣化とその意義について-
國弘 保明
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2013 年 12 巻 p. 43-52

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抄録

授業見学あるいは期末試験前の指導を通じて、留学生が十全にノートを取れていない実態に気付いた。これを解決すべく、模擬講義をビデオ収録し、それを練習素材とする教育実践を行った。模擬講義を視聴させてノートを取らせ、それをもとに質疑応答し、ノートの講評を行うというものである。外国語である日本語で講義を受けるという難しい作業を留学生は行わなければならない。さらにノートテイキングは講義のポイントを自分自身で探り、素早く筆記するという高度な技能が必要となる。ノートを取ることは大学での学びに不可欠な技能であることから、本実践を行うことにした。結果は、ノートを取ることに関して学生の意識を高め、講義を受けることに慣れさせたという点では効果を見た。しかし、実際のノートが効果的・効率的なものになったと断ずるには及ばなかった。今後の課題としては、より基本的な練習から実践を行うこと、専門用語の導入を初めとして学生の日本語力を醸成すること、他教員の協力を得て様々な講義スタイルを体験すべきこと、講義に用いられる談話の分析である。

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© 2013 学校法人日本橋女学館 日本橋学館大学
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