日本文学
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二葉亭四迷と俳諧 : その前近代と近代
西村 好子
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1984 年 33 巻 8 号 p. 77-89

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抄録
二葉亭四迷は、近代文学の祖というイメージが強いが、その内実を問うなら露伴に近い。それは、連句評価芭蕉評価にょって知れるが特に読者を意識せずに詠まれた俳句の分析を通じて明らかである。彼の俳句は、愛犬マル哀傷句以外ほとんど花鳥風月に材を採り、伝統的前近代的世界との繋りは深い。二葉亭の俳句世界は、前近代と近代の重い行きかいの様相を如実に表現している。
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© 1984 日本文学協会
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