日本文学
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葉山嘉樹・昭和十年前後の一様相
浅田 隆
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1985 年 34 巻 12 号 p. 40-53

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抄録

葉山の作品の中には中途半端な、完結性を意図していないと思われる作品が見うけられる。その傾向は葉山の資質に根差す場合もあろうが、思想弾圧の厳しさが極点に達していた状況の中では、葉山はそれらの傾向を、逆に自覚的方法として駆使したようである。昭和一〇年七月に発表した「窮鳥」は、一見、まとまりのない中途半端な印象が顕著であるが、当時彼が主張した諷刺の方法としての「ハンテン文学」の典型である。

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© 1985 日本文学協会
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