帝京大学
1989 年 38 巻 11 号 p. 1-10
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六条御息所の物怪は、源氏物語全体の構造と深く関わる特殊なものである。葵巻の生霊事件は紫上に資するものであることはこれまでにも説かれて来たが、実は若菜下巻の死霊事件においてもそれは変わらないのであり、それどころか物怪となっていない時でも、六条御息所は紫上に資する一面を有していると考えられるのである。そこで本稿では、六条御息所はそうした紫上の影とも呼ぶべき機能を有する人物であることを明らかにしてみた。
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