桃山学院大学
1989 年 38 巻 12 号 p. 36-54
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藤原明衡の作とされる『新猿楽記』は、作品の序章部分に猿楽見物の状景描写があることから、従来、芸能史の一資料としてあつかわれることが多かった。しかし作品の大半は、総勢四十余人にも及ぶ「右衛門尉」一家の、構成員個々人のなりわいに関する記述に費やされている。作品を統一的に捉える視点は、別に求められなければなるまい。本稿では従って、網野善彦の言う「無縁」化された言葉が飛び交う「市」の時空間として、作品を統一的に捉える試みを行った。
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