大阪教育大学
1992 年 41 巻 8 号 p. 55-63
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従来有島武郎の「溺れかけた兄妹」(大正十年七月)は多くの論者によって卑怯であったことへの悔恨がテーマだとされてきている。しかしそれは作品の部分を取り出したものにすぎず、全体としては、大人の習慣、思想、観念によって子供の世界が圧迫される姿を、つまり個性の抑圧からの解放を目ざした有島文学の中心テーマそのものを描いたものである。それを作品構成によって証明した。
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