日本文学
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糾される現実(いま) : 「貧福論」の<裡なる異国>
元田 與市
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1993 年 42 巻 4 号 p. 27-39

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抄録
表面上は、世の貧福と戦国武将を論じている「貧福論」であるが、その論議の裏に隠された作者の<主意>からは、徳川治世にたいする危うい意識が流露している。そのことを「黄金の精霊」の意味やその位置づけ、さらには江戸時代中期の時代背景などを勘案しながら、家康を寿ぐとされる「尭〓日杲 百姓帰レ家」の句に向かって収斂していく、一篇の内容を綿密に検討することで明らかにしたい。
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© 1993 日本文学協会
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