日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
平安朝文学における身体の主題 : 足と沓をめぐって(<特集>古代文学と身体)
葛綿 正一
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 43 巻 6 号 p. 59-67

詳細
抄録

中世が「脚の価値の発見」(山折哲雄氏)の時代であることは確かであるとしても、古代や平安貴族の時代が身体性に対して全く無感覚であったわけではないだろう。本稿ではまず古事記における足の大地性や異形性を確かめる。次に枕草子や源氏物語においてはほとんど露出することのない足が、それゆえかえって重要な役割を担っている点を論じる。足は沓とのずれをはらんだ関係を通して作品に様々な力学を及ぼしているのである。

著者関連情報
© 1994 日本文学協会
前の記事 次の記事
feedback
Top