女子聖学院短期大学
1995 年 44 巻 9 号 p. 40-50
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川端康成『眠れる美女』の眠りについて、「美女」たちの「複製」としての機能、母というエロスとの関わりという視点から考える。眠りは「美女」たちをモノ化して江口の過去の性を想起させるが、そのきわまりに母という絶対の禁制がある。そこに行き着いたとき、眠りは死と両義になる。ペロー童話との比較からも眠りの意味は明らかになる。美を時間の浸蝕から守るはたらきだが、童話と違って眠りが破られないことの意味も、また重い。
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