関西学院大学
1996 年 45 巻 10 号 p. 22-30
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文化年間刊行の『文苑玉露』は、国学者の交友ぶり、作歌態度などの自照性に富んだもの、消息文などの資料的価値があるもの、未見の序文など文献学的価値の高いもの等、まさに種々混交している和文集である。この作品は学統世界を越境した、一般の読者の期待にも応えるものであった。この世界は四十数年のちの嘉永年間刊行の『遺文集覧』に受け継がれるが、学際的な面白みはあっても、もはや学究的な挑発を楽しむ、越境の期待は充足されないものであった。
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