京都大学大学院
1996 年 45 巻 12 号 p. 1-8
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『紫式部集』前半にある五首の旅詠は、すべてが作者の越前下向往路の詠歌であるか、或いは復路の歌を含むかについて、理解が分かれていた。本稿では現時点での詠歌地比定作業の到達をふまえつつ、五首がすべて往路の作であることを読みとる。また、五首の配列は時間秩序によらず、都と鄙を両極とする心理の軸によること、それがこの旅に意味を付与し、さらに家集内で前後の展開に寄与するものにしたてていることを論証する。
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