日本文学
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祓のテオロジー : 卜部家の『日本書紀』研究と祓神学(<特集>注釈の古代)
中尾 瑞樹
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1998 年 47 巻 5 号 p. 21-32

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抄録

大嘗祭のなかで唱えられる祓の呪儀としての陪膳采女の祝詞作法。その技法をめぐっては「習礼」と呼ばれる宮主や陪膳采女の「秘説」の競合する時空があった。そうした秘説たちは、いわば祓の技法に対する「注釈」の様相を帯びて、宮主においては、やがてある種の「神学」を構築していく。そこからは『日本書紀』神代巻神話が祓についての「秘知」を内在するものとして再構築されていった。それはいわば宮主の身体を媒介とした「注釈実践」であった。

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© 1998 日本文学協会
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