日本文学
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経典・注釈・説話 : 日本霊異記の観音霊験譚と経疏(<特集>注釈の古代)
山口 敦史
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1998 年 47 巻 5 号 p. 33-42

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抄録

説話は経典の主題を伝えるための例証として機能している。これは説話が経典の注釈としてあるとも言うことができる。そこでは説話は収録される典籍の性格や目的によって、同一の話型であっても異なる主題を標榜する。『日本霊異記』の引用経典と説話の関係においても同様の性格が窺え、これは経疏と方法において共通している。それらには<願>の顕現への希求が見られる。

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© 1998 日本文学協会
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