広島大学大学院
1999 年 48 巻 6 号 p. 19-27
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これまで「〓廉留銭」(『藤簍冊子』巻五)は、原典からの乖離の起因を文体の相違に求めるという方法で分析され、『雨月物語』や『春雨物語』との共通性が論じられてきた。本稿は、原典との相違は何らかの作者の意図から生じたものと見る立場からの再読を通して、この和文が俗世間における賢者のあり方を問うた一編であることを述べ、今後『藤簍冊子』の中での位置付けも考えてゆく必要があることを指摘しようとするものである。
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