早稲田大学大学院
2000 年 49 巻 9 号 p. 19-29
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明治以来、日本の社会主義およびアナーキズムは「昆虫」に憑依されてきた。葉山嘉樹の多くの作品にも「虫」が登場するが、そのほとんどは蚊、土蜂、穴蜘蛛、百足などの「害虫」であった。それはプロレタリアートの反抗や闘争の象徴というだけでなく、事件や凶変、伝染病や天変地異のイメージと結びついている。本論では、『移動する村落』に登場する「蚊柱」に注目し、それが同時期における戦争、新聞、民族、モダニズム、民俗学、子供の問題と交差していたことを論じた。
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