日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
エイズのイデオロギー
木村 功
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2001 年 50 巻 9 号 p. 50-61

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抄録

本論では、山本文緒「きっと君は泣く」、村上龍「KYOKO」、吉本ばなな「SLY」を対象に、HIV・エイズの表象とその意味を考察した。HIV・エイズを恐怖や嫌悪の対象とすることで、文学テクストは「こちら側」に「健全」で「健康」なアイデンティティを創出し特権化するイデオロギー装置として機能したにとどまった。そこにはHIV・エイズへの共感や共存への意識を持たない、書き手のHIV・エイズ認識の問題がある。

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© 2001 日本文学協会
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