日本文学
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古代における庭園 : その機能と表現をめぐって(<特集>古代における庭園)
武田 比呂男
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2003 年 52 巻 5 号 p. 22-31

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抄録

日本の古代の庭園は神祀り・遊宴の場にその起源が求められるように、いわば外部性と触れあう場・交通の場としての構造を持つが、古代日本が東アジアにおける小帝国を志向する過程で、政治的・文化的装置としての機能を果たすことになった。例えば『懐風藻』の新羅遣使饗宴の詩文に見られるように、詩文も庭園も、またそれを支える神仙思想も東アジア世界参入へのメディアの役割を負い、古代の表現世界を織り変えていったのである。

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© 2003 日本文学協会
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