立命館大学
2005 年 54 巻 5 号 p. 19-26
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さまざまな者の「知る」出来事を記す『霊異記』。下巻二十八縁では一人の優婆塞が音を聞き、やがてその意味を悟り檀越に「告知」、末尾では景戒自身が「誠に知る」が、三者それぞれの体験は必ずしも共有されないまま並列される。不特定多数の読者が意識されている『霊異記』が、一般化できない宗教実践者の固有な体験として書かれる。それは景戒が「諸教要集」を与えられ、写せと命じられた、下巻三十八縁に記された夢につながるものではなかったか。
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