金沢学院大学
2010 年 59 巻 10 号 p. 47-56
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近世の旅行家として名高い橘南谿、その著『西遊記』『東遊記』を、紀行文としてでなく、記述の仕方を通して近世後期における「古代」の問題を導き出してみたい。彼は、伊予国で太古の「扶桑木」の痕跡である朽木が発掘されたという話に魅惑されるが、その背景には、「埋れ木」文化とも称するべき発掘ブームがある。これは、単なる古代趣味・古代憧憬ではなく、近世後期における、「古代」を介しての空間・居場所の再発見という意味をもつのである。
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