国文学研究資料館 総合研究大学院大学
2014 年 63 巻 7 号 p. 35-44
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歌仙絵の文字表記は、時代とともに多様化する。後代に受け継がれる業兼本三十六歌仙絵の書式は、歌合を志向したもので、その系譜に左方の歌を左から書く形が登場する。俊忠本等の資料に基づけば、その左書きの由来は歌合の場における声への関心にあり、受け継がれる中世の扁額では神への奉納と関わっていた可能性も窺われる。後代定着する顔の向きに添う書字方向の規則など、対幅書画等先例との相関を含め、改めて問い直されてよい。
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