日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
特集・中世の表記と文体
談義書・論義書における文体と表記
渡辺 麻里子
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2014 年 63 巻 7 号 p. 58-68

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抄録

談義や論義の場で生まれた書物には、時折、その場を彷彿とさせる表現が見られる。論義書の伝静明作『天台問要自在房(百題自在房)』十巻は、「申されずるでそう」「申されまじいて候」等、口語表現が多用されている点でも注目されてきた。本稿では、本書の他に、『鷲林拾葉鈔』や『轍塵抄』などの談義書について取り上げ、談義書に特徴的な表現について論じる。また、漢字の表記、特に読み方にこだわる表記をめぐる問題について検討する。

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