三重大学
2015 年 64 巻 11 号 p. 25-35
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石川達三は、中央公論社特派員として、陥落後の南京にでかけ、京都第16師団津歩兵第33連隊の兵士に、直接取材した。凄惨を極めた戦闘では、婦女子への暴行や一般市民の虐殺などがみられ、達三はそれらの事実を小説「生きてゐる兵隊」のなかに描いた。しかしすぐに発禁処分となって、作家本人も新聞紙法違反に問われることになった。一九三〇年代の検閲の諸相を、中国の状況をふまえながら論述する。
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