早稲田大学
2015 年 64 巻 11 号 p. 54-64
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日本近代文学におけるメディア検閲は、近年もっとも関心を持たれている研究テーマの一つである。第二次世界大戦の戦前・戦中・戦後を通じて文学活動を展開した作家は、内務省とGHQ/SCAP(連合国軍最高司令官総司令部)の検閲と無縁ではなかった。本稿では、改造社編集者であった木佐木勝の日記を手がかりに、横光利一『旅愁』刊行の過程に照明を当てながら、アメリカ軍占領期事前検閲と改造社文芸出版とのせめぎ合いの一端を考察した。