日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
特集・危機と対峙する中世文学
危機に対峙する文芸の構想と変奏
――藤末鎌初における往生と汎宗派的志向をめぐって――
近本 謙介
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2016 年 65 巻 7 号 p. 2-13

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抄録

平安時代から鎌倉時代への時代の画期について、それと対峙する文芸のあり方の視点から分析する。画期に向けての院政期の施策と宗教文芸の動向を、画期到来以降の展開との相関から見直すことで、その軌跡をたどることを意図している。その際に、往生に関する文芸の担った役割と、それを支える汎宗派的志向の意義を取り上げ、聖徳太子信仰と関わることがらを取り上げつつ定位する。その作業のなかで、諸領域の文芸の展開を、思想史的・文化史的展開との関わりから照射する。

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