福島大学
2017 年 66 巻 11 号 p. 34-43
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本稿は、大江健三郎の核時代下の文学的営為を、小説「アトミック・エイジの守護神」(『群像』、一九六四・一)を扱うことで浮かび上がらせるものである。『ヒロシマ・ノート』(岩波新書、一九六五)とのつながりや、大江における渡辺一夫のユマニスム思想およびエラスムス『痴愚神礼讃』受容を辿り、世界に蔓延する狂気を引き受けつつも、それを突き抜けて「生き延びる」(=outgrow)イメージを小説化する大江文学の企みを明らかにしている。
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